■オーディションは出会いと別れを示唆する
アイドルグループで新メンバーオーディションを行う時は、卒業を予定するメンバーが一定数いるから行うか、メンバーを不安にさせて競争を常に煽るために行うか、この2パターンが多い。初期のモーニング娘。が後者のパターンで、1期生と2期生が初顔合わせをする場面でものすごく険悪だった空気だったのを、子供ながらに覚えている。
前者のパターンは、日向坂46や櫻坂46など。新メンバーオーディションが発表になってから日向坂46でも櫻坂46でも乃木坂46でも卒業者が出た。つまり、オーディションの開催は新メンバーへの期待と不安だけでなく、現メンバーの旅立ちが近いことを示唆する。新メンバーを入れることは新陳代謝のために必要なものだ。
■アイドルの卒業はアイドルの死でもある
アイドルの卒業は大変喜ばしいものだと私は思っている。金看板を捨て、自分の看板を掲げて荒波に揉まれるのだから、背中を押してあげるのがファンの責務だと思うからだ。しかし、アイドルが卒業することに対し、とてもネガティブな気持ちを持つ人は少なくない。
先日、日向坂46の渡邉美穂が卒業を発表した。渡邉美穂が猪突猛進にどれだけ頑張ってきたかをひらがなけやき時代からずっと見てきた。アイドルとして5年、全速力で駆け抜けたのだから、もう十分だ。他の2期生だって全速力で駆け抜けているとは思うが、渡邉美穂は何かと大役が多い。今では当たり前となっている写真集も渡邉美穂がトップバッターだった。決して器用ではなく、どれだけ苦しくても笑顔で接し、フォアザチームを貫いた。
これ以上渡邉美穂に何を求めるのかとむしろ怒りに近い感情になった時期もある。だからこそ、卒業は喜ばしいと私は思っている。しかし、日向坂46のファンはアイドルが死んだかのような気持ちになっている人が少なくない。
■未来を信じる気持ちを持て
日向坂46の4期生オーディションは佳境を迎えている。研修生として内定が出て、夏あたりに内定者たちの合宿が行われてふるいにかけられるのだろう。日向坂46にすれば、前途洋々な時期に行う初のオーディションである。3期生たちは乃木坂、当時の欅坂、けやき坂の合同オーディション組であり、当時アルバムが出たとはいえ、けやき坂46に入ろうとする女の子は少なかったかもしれない。
1期生は欅坂46への昇格が見込めるかもしれないという時期のオーディションだったが、2期生に至っては暗中模索の中で孤軍奮闘していた時期である。それで小坂菜緒や金村美玖、丹生明里などタレントが集まった。その中に渡邉美穂もいる。その点、4期生は日向坂46の絶頂期に入ってくる。乃木坂や櫻坂が決して順風満帆とは言えない時期だから余計に、勝ち馬に乗りたい人が入ってくるかもしれない。
しかし、ファンとして、未来を信じる気持ちを持たなければならない。渡邉美穂が卒業しても、新たなメンバーたちが日向坂のカラーを守りつつ、新たな色を持ち込んでくれると信じなければならない。だから、渡邉美穂の卒業に不安は全くない。
所詮、アイドル人生は人間の一生における花の2区である。花の2区で大ブレーキでも山の5区で巻き返すかもしれない。花の2区で華々しく活躍してもどこかで途中棄権するかもしれない。渡邉美穂は先に人生の3区に入った。花の2区が人生のすべてではないのだ。新たなメンバーを信じる気持ちがあれば、盛大に送り出せるはずである。せっかくなら渡邉美穂の人生を応援しようではないか。

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