■新メンバーが12人
日向坂46の新メンバーが12人も入るというのは衝撃であり、日向坂46は選抜制度を導入すると宣言しているようなものだ。一方、大量に卒業者や卒業候補者が控えているのではないかとすら感じてしまう。よくよく考えれば、1期生たちは既に6年間、2期生は4年間活動を続けている。乃木坂や櫻坂、48グループなどを見る限り、エース級のメンバーは長くて10年、だいたい6年、7年ぐらいでピリオドを打つ。
結局アイドル活動が長すぎると、再スタートを切るのが結構難しくなる。平手友梨奈のようになんとかブランド力を高めようと必死に立ち回れば別だが、びっくりするくらい、48グループのエース級はパッとせず、下積みをやらされている。逆に、早めに見限って下積みを始めているようなメンバーはそれなりの活躍ができているように見える。その象徴がSKE48におけるW松井ではないだろうか。
松井玲奈は2008年から2015年まで活動していたが、後半は乃木坂との兼任など、SKE出の活動以外のところが目立つようになる。卒業後は着実に一歩一歩仕事を重ねていき、先日は西九州新幹線のイベントにも参加していた。一方、もう1人のW松井である松井珠理奈はおよそ13年もアイドルとして活動を行っていたが、本来2020年に卒業するところ、新型コロナウイルスの騒動が起こり始めて卒業が1年以上延びてしまった。
松井珠理奈の場合、在籍中から体調不良の休養を複数回経験し、思ったような活動ができず、2022年再び休養を発表した。SKE48を守るために頑張ったのかもしれないが、松井珠理奈ですら歯車の1つだったのかと思わざるを得ないし、夢がない。AKB48やそのグループは踏み台的な存在ではなかったのだろうか。そういうこともあるので、自分は10年もアイドルを続けることに何の得はなく、6年、7年が1つの区切りだと思っている。
■10年以上在籍するメンバー
10年以上グループに在籍をするメンバーにはいくつかの特徴がある。1つは芸能人としての鋭い嗅覚に乏しい、2つ目は卒業後にやりたいことがない、3つ目は今でも十分満足の稼ぎになっている、4つ目は卒業のタイミングを失った、最後に、いなくなったらグループが崩れる、これらの特徴に当てはまるメンバーは多いのではないだろうか。
例えば峯岸みなみの場合、タイミングを失ったタイプの人間である。丸刈りにして話題になったあの時期に辞めるのが本人にとってはベストだったかもしれないが、研究生に落とされて研究生公演をまとめる立場になってしまったために、ズルズルと卒業の時期を遅らせることになった。結婚相手は若い人ならだれもが知るYouTuberグループの東海オンエアの1人なのだから、芸能人としてのキャリアを別に重ねなくてもいい立場になったと言える。
山本彩の場合は、いなくなったらグループが崩れると思っていた部類なのかもしれない。8年程度ではあるが、ポテンシャル的にはもう少し早めに辞めてもよかったように思う。周りが育っておらず、辞めるに辞めれなかったタイプ。アーティストとして着実に活動していた中で、甲状腺のバランスが崩れたことで休養し、最近復帰している。エース級は誰かが幸せにならないといけないのだが、エースが本当に活躍できない。
日向坂46に話を戻すと、この1年で卒業した方が次のキャリアにつながる人は結構いるように思う。日向坂46を踏み台にして、卒業したらそのカラーをできるだけ消した方がいいメンバーはいる。1期生がこの1年で一気に辞めていくとしても、それはネガティブな決断ではなく、英断だと思う。ただ英断だと思えるのはそのメンバーの成功を心から願う人ぐらいなもので、他のメンバーを推すファンからすれば悲劇、惨劇の部類なのかもしれない。
■エースがいないゆえ
幸い日向坂46は元々確固たるエースがいない。小坂菜緒が確固たるエースという考えがあるが、ひらがなけやき時代からセンターはローテーションのようなもので、最近それが復活している。もし今小坂菜緒が辞めると言いだしても、多少の慰留こそあれ、影響はそこまで大きくはないように思う。既に1年ほど休養しており、小坂菜緒がいない日向坂46をみんな経験した。ここに小坂菜緒がいればもっと盛り上がったのに!という雰囲気はさほど感じなかった。
ここに富田がいれば!とか松田がいれば!と思うことはあっても、エース級のメンバーにそれを思うことはない。何人か欠けていても番組として成立するのが日向坂46なので、ジェンガのように慎重に外していけば、一気に崩れることはない。問題は4期生12人をどのように積み重ねていくかである。
ざっくりとした数字で申し訳ないが、4000人に1人程度の確率で選ばれたメンバーたちがしのぎを削りあう。研修生として合宿を組んだ際も派閥はそれなりにできただろう。バラエティに貪欲で、空気を読んで立ち回るメンバーはさほど多くないのではないだろうか。3期生の場合は上村ひなのが最初に1人で入り、その後塩漬けされた研修生組から3人加入しており、ストレートでオーディションをパスした4期生とは毛色が異なる。
おそらくだが、4期生12人が慎重に築き上げてきた日向坂46のタワーを崩すはずである。それはいい意味でも悪い意味でも。いい意味という点では、どうしてもバラエティ色の強いグループだったので乃木坂のようなカラーに戻せるチャンスであるという点。悪い意味では、乃木坂の補完勢力になり下がる可能性や最近噂されている「乃木坂46の公式ライバル」に食われる可能性があるという点だ。日向坂46独自のカラーが4期生12人によって別のカラーにされてしまうことは十分に想定しなければならない。
■新メンバーが入ることで起きること
しかし、4期生12人が決して悪の集団というわけではなく、本来新メンバーが入るというのはそういうことである。もしも1期生のまま突っ走った場合、アクが強くて取り扱いが難しいグループになり、そこで打ち切られていたかもしれない。2期生にあれだけのタレントが奇跡的に集まったことで中和されて日向坂46のカラーが出来上がった。3期生はカラーを壊そうとせず、染まってみせた。だが、4期生12人が入ればそうはいかなくなる。12人を主体としたカラーにいずれなっていくだろう。
おじさんおばさんがテレビなどを見て、「昔の方が面白かった」とボヤいている光景は全国どこでも見られる。鉄腕DASHを見ながら「昔のストリートミュージシャンの規格が面白かった」と言うおじさんがいるが、上場企業に対してベンチャー企業のようなことを求めているようなもので、ベンチャー精神でやっている番組をお前が探してこいという話にしかならない。
おそらくだが、4期生12人が入ることで、「昔の方が良かった」と言い始める人が出てくるだろう。乃木坂ではどんどん新人が入るたびに嘆きの言葉が聞かれるようになる。ただそれはどのメンバーも新しく入った時に言われたことであり、乗り越えるメンバーもいれば乗り越えられないメンバーもいる。言ってしまえばその程度の話である。
あとは1期生が4期生に教えるものを教えたら自分の事を考えて進退を決めるのがおすすめである。後輩に囲まれてキャハハキャハハしている時間が長ければ長いほど、いざ独立と言う時に苦戦する。様々なアイドルグループで活躍したメンバーたちが総じて苦戦するのは、過度にチヤホヤされてきたからだろう。逆にほぼチヤホヤされていないメンバーは意外と幸先のいいスタートが切れる。日向坂46の1期生にとって今が最大のチャンスである。
とはいえ、キャプテンの佐々木久美がその手には出られないだろうし、加藤史帆もそんなことは考えていないだろう。本人たちはまだまだと思っているかもしれないが、テレビに携わるスタッフ的な視点で見れば、それなりにイメージは出来上がっており、チャンスはチャンスのはずである。日向坂46が4期生の台頭でカラーが変わる前に卒業して独立した方がいいイメージのカラーで勝負できる。
ここまで言及したらもはやファンには思われないかもしれないが、色々な想定をしておくことは変にショックを受けることなく、引きずらずに済む。スキャンダルで変質するよりも、4期生が持つカラーで変質するのであれば、グループにとって幸せなことだ。変化を楽しむということはそういうこうだ。成長するというのは、破壊して変化し、積み重ねて破壊する、これを繰り返して成り立つのである。

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